
現在、ダバオ在住の日本人をワクワクドキドキさせているニュースがあります。
そう、それが、「ダバオー東京」間の直行便の運行開始!!
多くの人が待ち望む直行便の運行、今回こそは実現するのでしょうか。
最新の動向とともに、これまでの流れを総特集します。
ダバオでささやかれているダバオ直行便の噂の真相
そのニュースの元となったのが、2019年11月13日にリリースされた以下のニュース。
ANA eyes possibility of Davao-Tokyo flights
簡単に訳すと、
そこで、ダバオ市の重鎮は、近年のダバオの目覚ましい経済成長と世界からの注目度、また、実際に多くの都市への国際線の運行がすでにスタートしており、今後も予定されていることを伝えました。
今回のイベントをきっかけに、ANAはダバオについて知り、興味を持ち始めているとのこと。しかし、ANAの最も大きな懸念材料は、ミンダナオに敷かれている戒厳令になるのではないかとのことです。
これを読んだ感じですと、「直行便の運行開始が目前に迫っている」、というよりは、ANAがダバオについて認知し、少し興味を持っているのかな、という程度かなと思いました。
実は、この「ダバオー東京」もしくは「ダバオー日本」間の直行便は、もう何年も前から噂され、そのたびに立ち消えになっている話題なのです。そのため、ダバオをよく知る日本人は、きっとまたいつもの話ですぐに立ち消えるだろうとあきらめ半分なのが現状です。
直行便の今後の動向については私にはわかりませんが、今ダバオは世界が注目する都市であることは間違いありません。私は、今後この話題が進展することを心から願っています。そこで、ダバオ市の国際化に向けた動きと、直行便の運行開始に関するこれまでの情報をまとめました。
フランシスコ・バンゴイ国際空港から「ダバオ国際空港」へ

ダバオ市にある国際空港は「フランシスコ・バンゴイ国際空港」というのが正式名です。有名な政治家の名前からきているのですが、ネーミングを正式に「ダバオ国際空港」に変更し、国際的なブランド力を高めていくことがほぼ決まっています。空港設備も拡大し、海外への直行便を増やす計画もあります。
実際、フランシスコ・バンゴイ国際空港では、各都市との直行便の運行開始が急ピッチに進められています(現在の国際線は、マナド(インドネシア)ーダバオ、香港ーダバオ、ドーハ(カタール)-ダバオ、泉州(中国)-ダバオ、シンガポールーダバオの5本で、今後も増えていくと予想されています)。
ダバオー東京の直行便の運航は、ダバオの空港の観点からは全く問題ないといえるでしょう。
ダバオ市から「戒厳令」取り除きの動き

ニュース記事でも挙がっていた、ミンダナオ島全体に発令されている「戒厳令(かいげんれい)」とは何でしょうか。
ミンダナオ島に発令されている「戒厳令」は、2017年5月にミンダナオ島南ラナオ州のマラウィで起こった事件がきっかけです。中東のイスラムテロ組織「イスラム国(IS)」と関係があるとされるイスラム武装組織と地元の犯罪組織がマラウィを武力占拠し、国軍部隊と火花を散らしました。
そのため、フィリピン政府はミンダナオ島全体に「戒厳令」を発令し、フィリピン人および外国人のミンダナオ島への移動を極力制限するとともに、注意喚起を行っています。
ちなみに、「戒厳(かいげん)」とは、警戒をきびしくすること、という意味の他に、非常事態に際して、行政権や裁判権を軍隊にゆだね、兵力によってその地域を警備することも意味します。
つまり、ミンダナオ島では今、軍隊の権限が非常に強くなっているのです。しかしそのおかげで、街中のいたるところに銃を持った警官がおり、街の安全を守っています。
日本の外務省もこの戒厳令を受け、ミンダナオ島全体を危険区域に定めました。そのため、東南アジアで2番目に安全とされるダバオ市でさえも戒厳令の対象となり、これにより国際化への動きが鈍化しているのです。私はダバオに住んでいるため、この町の安全性を知っていますが、ニュースや政府からの情報をみるだけでは、日本人からすると、ダバオは危険な地域として認識されうるのです(ちなみに私も、ダバオに来る前は、危険が多く潜んでいる地域なのではないかと考えていました)。
そのため、現ダバオ市長サラ・ドゥテルテは、ダバオ市を戒厳令の枠から取り除くようにフィリピン大統領ドゥテルテ(父)に要請しています。ダバオがこのまま国際化を進めていけるかどうかは、この戒厳令が大きなカギを握っています。
しかし、フィリピン政府は、ミンダナオ島の住民の安全を守るためにこの戒厳令を発令しているため、国民の意見も様々。「安全」と「国際化」のどちらを選ぶべきか、意見が分かれているというのが現状です。
現在の戒厳令の期限は2019年12月末ということになっていますが、さらに1年延長されるのではというのが大方のメディアの見解です。ダバオの国際化に大きな影響力を与える戒厳令の行方にも注目が集まります(参照:JETRO)。
ダバオ直行便に関するこれまでの経緯
「ダバオ 直行便」で検索し、その中の最も古い記事を探してみたところ、2014年にリリースされた以下の記事が見つかりました。
All Nippon Airways Considers Davao-Japan Flights
この記事を簡単にまとめると、
という感じです。
タイトル的には、ANAが開設を考えているという前向きな記事かと思いましたが、記事を読むと、ダバオへの直行便の開設のメリットは現段階では低い、と読み取ることもできます。
どうやら、ANAへのダバオ直通便の申請は、今回が初めてではない様子。2014年は戒厳令が発令される前のことですので、この時は純粋にダバオは直行便を開設するに値しないと思われたのでしょう。しかし、今ダバオ経済は絶好調。5年前とは比べ物にならないほど発展しています。ANAとしても、検討の余地がでてきたのではないでしょうか?
また、ダバオ市は、フィリピンのLCCであるフィリピン航空とセブパシフィックに何度も直行便の申請を行っていますが、実現には至らないというのが正直なところです。このニュースは大体、1年間に1~2回ほど大きく報道されます。そしていつの間にか消え去り、また1年後に同じようなニュースが流れるのです。ちなみに、ダバオと古くから付き合いがある日本人のおじさん曰く、この話はすでに10年前ぐらいからあるとのこと(それが本当かどうかはわかりません)。
ダバオ直行便開設の可能性はあるのか?
これらのことを考えると、「ダバオー東京(もしくは日本)」直行便の開設は、将来的には十分に考えられますが、1.2年で実現する可能性は非常に低いだろうというのが正直な感想です。
昨今のダバオの経済成長はものすごいものがありますし、今後人気の都市になっていくのは間違いありません。直行便ができることで、日本人観光客、語学留学生、起業家などが大量に流れ込むだろうと考えられますが、直行便を開設するほどの需要があるかといえば、現段階では難しいと考えるのが妥当かと思います。
直行便の前提として、戒厳令の撤廃、日本人観光客の呼び込みによる「日本人のダバオ訪問数の増加」がみられて初めて、航空会社は「ダバオー東京」間の検討を始めるのではないかと思います。
もしくは、ダバオにおける産業の可能性をより強く発信していくこと。実際、ダバオの産業に目を付けた海外の都市は多くあり、工場の参入が相次いでいます。日本企業のダバオ参入が一気に進めば、より早い段階での達成が期待できるでしょう。しかし、日本人のほとんどはダバオを知らないというのが現状のため、よりポジティブな取り組みを行っていく必要があるでしょう。
終わりに
個人的には、ダバオは大好きな都市なので、日本人観光客の呼び込みに貢献したいと思い、私も様々な努力(?)をしています。ダバオに一度来ると、ダバオを愛して、また来たいと思ってくれる人が多いため、まずは1度来てもらうためのプロモーション的活動が非常に重要になると考えています。
直行便がなくてもダバオにはもちろん行けますので、まずはダバオ訪問者を増やしていくことが重要です。日本人のダバオ訪問者の数が統計的にも大きく改善されれば、「ダバオー東京」間の直行便を開設する大きな材料になることでしょう。
ということで、ダバオの魅力を今後も発信していきたいと思いますので、ぜひまた遊びにきてくださいね。
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