マニラ・セブ・ダバオのロックダウンが再延長で5月15日に!コロナ収束の見通しはいつ?

マニラ・セブ・ダバオのロックダウンが再延長で5月15日に!コロナ収束の見通しはいつ?

2020年4月24日、マニラを含むいくつかの都市のロックダウン再延長が正式に決定しました。期間は5月15日までです。

 

4月12日までのロックダウンが4月30日までに延長され、さらに再延長するかどうかに注目が集まっていましたが、本日、ドゥテルテ大統領が正式に強化されたコミュニティ隔離(Enhanced community quarantine)の再延長を報告(参照)。

 

本記事では、マニラがロックダウン再延長に踏み切った背景と、コロナウイルスに関するフィリピンの現状について紹介します。

 

 

マニラ・セブのロックダウンが5月15日まで再延長決定

4月24日、フィリピン大統領のドゥテルテ氏は、マニラ、マニラ周辺、セブ、ダバオなど、コロナウイルスの感染が拡大している地域のロックダウンを5月15日まで再延長することを正式に決定しました。

 

DOHによると、フィリピンでは4月22日の時点で、6710人の感染が報告されています。最近は1日あたり100~200人の増加が続いており、感染が爆発的に拡大しているとはいえないまでも、ロックダウンによる収束は見えてきません。

 

また、当初感染拡大がみられたマニラだけでなく、セブやダバオといった大きな都市においても感染者が増加していること、刑務所などでの感染拡大が起こっている(参照)ことなどから、以前とは状況が大きく変わっています。

 

これらの状況を受けて、ドゥテルテ大統領が出した答えは、地域を限定して強化されたコミュニティ隔離を続けるというものでした。

 

 

ロックダウン再延長に踏み切った背景

ロックダウンを延長するか、もしくは経済活動を再開するかは、フィリピンの議員の中でも意見がわかれており(参照)、今週ドゥテルテ大統領は、さまざまな分野の専門家から意見を聞いて回っていました(参照)。

 

はっきりと分けることは難しいのですが、主に「慎重派」と「経済促進派」に分かれている感じです。

 

「慎重派」の意見

フィリピンでは、3月終わりごろに感染が一気に拡がりましたが、4月はだいたい200人ほどの増加がみられています。感染者が減ってきたなと思ったら再度増え、というのを何度も繰り返しているのが現状です。また、この数が本当に正確なのかどうかも実は疑問視されています。

 

フィリピンでは人口密度の高いエリアが多くあり、もしクラスターが発生すれば、コロナウイルスは一気に拡がるでしょう。刑務所、スラム街、密集エリアなどで感染が拡大すれば、医療の崩壊どころか、国全体が崩壊します。

 

そのため、今はなんとしてでも、感染予防を第一に考えるべきだというのが慎重派の意見です。経済が苦しいのも、市民が飢え苦しんでいるのもわかっているけれど、それでも厳しいロックダウンを続ける必要がある。少なくとも、もう少ししたら中国から医療のサポートが受けられるため、それが始まるまではロックダウンは解除すべきではない、というのが主な考えです。

 

ただし、フィリピン全域を強固なロックダウンに置くというわけではなく、あくまでも感染が拡大している地域に絞って行うべきという意見が主流のようです(参照)。

 

こちらの意見には、実は非常に怖い裏話もあり・・・実はフィリピンでは、感染者はもっと多くいるだろうという意見です。フィリピン人はコロナウイルスの感染が疑われても、病院に行くことができない。

 

というのも、コロナにかかって病院に行ってしまえば、高額の治療費が必要になるからです。市立病院で1カ月の治療を受けたある例では、800万ペソの費用を請求されたとも。これはあくまでも一例ですが、100万ペソを超える高額請求の可能性があるため、特に貧困層は、コロナにかかっても病院に行けないという現状があります。

 

これらの現状を踏まえ、できるだけ感染拡大を防ぐ方向でやっていきたいと考える専門家や議員が多くいます。

 

 

「経済促進派」の意見

一方、経済を回していかないと、コロナではなく貧困で死ぬ、と警笛を鳴らしているのが経済推進派です。

 

フィリピンでは、強固なロックダウンにより、経済活動は大部分がストップしています。フィリピンでは、貯金がない家庭が非常に多く、仕事のストップは生活の困窮を意味します。実際、明日明後日に食べるものがなく、政府からの配給を待っている人が多くいる状態です。経済の悪化により治安が悪化し、強盗や裏ルートで生計を立てる人も増えてきているようです。

 

つまり、コロナ感染ではなく、経済の悪化で死亡者が増える目前にまで来ている。ロックダウンの成果が見られないのなら、経済を少しずつ回すほうにシフトしていったほうがいいのではないか、という意見です。

 

こちらも裏話として、すでにフィリピン人がロックダウンの生活に我慢できなくなり、外出が日常茶飯事となっていることが挙げられます。つまり、ロックダウンが意味をなさなくなっているという現状があるのです。

 

ドゥテルテ大統領は、これらの意見を聞いたのち、最終的には大統領判断で方向性を決めることになりました。そして、最終的に選んだのが、感染が拡がっている地域に限定して強化されたコミュニティ隔離(Enhanced community quarantine)を行うというものです。

 

 

特定の地域における強化されたコミュニティ隔離でフィリピンがどうなるか

今回の発表を受け、さらに約2週間、強化されたコミュニティ隔離が続くことになります。これによって考えられるいくつかの未来予想です。

 

マニラの人々が我慢できるかどうか

マニラでは、今日から約3週間、さらに強化されたコミュニティ隔離の中で生活する必要が生じます。しかし、実際には市民が限界に来ており、外出を繰り返す市民が後を絶ちません。フィリピンは、この状況を改善するために、軍の力を総動員し、外出を制限しています。ドゥテルテ大統領は、もし市民の外出が続くようならば、軍がより強い権限を持つ「戒厳令」に似た方法を利用するとまで述べています。

 

また、仕事ができないわけですから、収入がありません。そのため、収入を得るために裏ルートで働く人が増加したり、窃盗などの犯罪者が増えるのではないかとも考えられています。実際、マニラでは残念な事例が毎日のように報告されています。

 

 

強化されたコミュニティ隔離が解除されたエリアで拡大を防げるか

強化されたコミュニティ隔離が解けたからといって、一気に日常生活に戻るわけではありません。都市の状況を見つつ、少しずつ戻していくことになります。それらの地域で、感染拡大が防げるのか、もしくは、感染した際に適切な医療体制を組めるのかどうかに注目が集まります。

 

もし地方において感染が拡大してしまえば、収拾がつかない事態へと発展する可能性もあります。強化されたコミュニティは解けたものの、コロナウイルスに対する細心の注意を払う必要があるでしょう。

 

 

フィリピン経済がどこまで落ちるのか

コロナ収束後の話ですが、もちろんフィリピンは、経済を復活させていかねばなりません。現在、フィリピンの株価はおそろしいほどに大暴落している状態。また、コロナ感染を意識しながら働くことになるため、生産性も落ちるはずです。5年先、10年先を見据えた経済回復が焦点となるでしょう。

 

ただ、今回のコロナウイルスで、国の予算はほぼありません。今後、貧困層のサポートを国が行うのも難しくなります。そのため、これまで以上に貧困の差が拡大するかもしれません。貧富の差をなくすことは、ドゥテルテ大統領の志の一つであったため、非常に残念です。

 

 

インバウンド業は大崩壊の危機

フィリピンは現在、他国からの入国を厳しく制限しています。この状況は、たとえマニラのロックダウンが解除されても、簡単には戻さないだろうと考えられます。そのため、海外旅行客をターゲットにした飲食店やサービス業、英語留学の業界は厳しい状況が続くでしょう。何とか新しい方向性にかじを切り、立て直しを図れるといいのですが。

 

 

終わりに

今回は、4月24日に正式に発表された、マニラをはじめとしたフィリピンのロックダウンに関する情報をお伝えしました。

 

フィリピンの一部の地域では、5月15日まで、強化されたコミュニティ隔離、つまりロックダウンの状態が続くことになります。

 

ドゥテルテ大統領にとって、今回の決断は非常に苦しいものだったと容易に予想されます。今回の決断が、功を制すよう、みんなで協力していけたらいいですね。

フィリピンのドゥテルテ大統領はどんな人?データや経歴、人柄などを紹介します

フィリピン大統領「ロドリゴ・ドゥテルテ」とはどんな人物?【簡易版】