フィリピンのミンダナオ島の戒厳令が解除:ダバオ直行便も大きく前進の予感

フィリピンのミンダナオ島の戒厳令が解除:ダバオ直行便も大きく前進の予感

ダバオに住む私を大喜びさせるニュースが舞い込んできました。

それがこちらのニュース↓↓↓

No extension of martial law in Mindanao, says Malacañang(2019年12月10日)

簡単に言えば、

フィリピンの現大統領であるドゥテルテ大統領が、現在フィリピンのミンダナオ島全域に発令した「戒厳令(martial law)」の延長をしないと発言した。2019年12月31日をもって、戒厳令が解除される。

というものです。

この話題、実は私がずっと待ちわびていたものでしたので、少し詳しく紹介したいと思います。

「戒厳令」とは

以前に書いた記事(ANAによる「ダバオー東京」間の直行便の運行開始なるか?ダバオ直行便の可能性を探る)の一部より、戒厳令について紹介します。

ミンダナオ島に発令されている「戒厳令」は、2017年5月にミンダナオ島南ラナオ州のマラウィで起こった事件がきっかけです。中東のイスラムテロ組織「イスラム国(IS)」と関係があるとされるイスラム武装組織と地元の犯罪組織がマラウィを武力占拠し、国軍部隊と火花を散らしました。

そのため、フィリピン政府はミンダナオ島全体に「戒厳令」を発令し、フィリピン人および外国人のミンダナオ島への移動を極力制限するとともに、注意喚起を行っています。

ちなみに、「戒厳(かいげん)」とは、警戒をきびしくすること、という意味の他に、非常事態に際して、行政権や裁判権を軍隊にゆだね、兵力によってその地域を警備することも意味します。

つまり、ミンダナオ島では今、軍隊の権限が非常に強くなっているのです。しかしそのおかげで、街中のいたるところに銃を持った警官がおり、街の安全を守っています。

日本の外務省もこの戒厳令を受け、ミンダナオ島全体を危険区域に定めました。そのため、東南アジアで2番目に安全とされるダバオ市でさえも戒厳令の対象となり、これにより国際化への動きが鈍化しているのです。私はダバオに住んでいるため、この町の安全性を知っていますが、ニュースや政府からの情報をみるだけでは、日本人からすると、ダバオは危険な地域として認識されうるのです(ちなみに私も、ダバオに来る前は、危険が多く潜んでいる地域なのではないかと考えていました)。

そのため、現ダバオ市長サラ・ドゥテルテは、ダバオ市を戒厳令の枠から取り除くようにフィリピン大統領ドゥテルテ(父)に要請しています。ダバオがこのまま国際化を進めていけるかどうかは、この戒厳令が大きなカギを握っています。

しかし、フィリピン政府は、ミンダナオ島の住民の安全を守るためにこの戒厳令を発令しているため、国民の意見も様々。「安全」と「国際化」のどちらを選ぶべきか、意見が分かれているというのが現状です。


現在の戒厳令の期限は2019年12月末ということになっていますが、さらに1年延長されるのではというのが大方のメディアの見解です。ダバオの国際化に大きな影響力を与える戒厳令の行方にも注目が集まります(参照:JETRO)。

というのが、以前の記事で紹介した内容です。これまで、戒厳令は何度も延長されてきました。今回も、どうせ延長されるのだろうとあきらめていたダバオLoverが多かったと思いますが、ついに!ついに!!ついに!!!戒厳令が延長されない、つまり、2020年1月1日からは、戒厳令が解除されるということです。

戒厳令の解除に踏み切る理由

この理由は明らかにはされていませんが、記事の中では、テロ組織メンバーの大半がすでに制裁を加えられており、ミンダナオ島は十分安全とフィリピン政府が判断したことが大きな材料ということです。また、この戒厳令が、ミンダナオ島の経済成長の妨げとなっていることもあり、危険がゼロとはもちろん言えないながらも、総合的に考え、戒厳令を解除する方向に決まったようです。約2年半の間、ミンダナオ島で発令されていた戒厳令の解除は、多くの人々が待ちわびていたうれしい知らせといえるでしょう。

戒厳令の解除で期待されること

戒厳令の解除でまず期待できるのは、観光客数の増加です。国内、国外から、ミンダナオ島に興味のある人々が気軽に訪問できるようになるでしょう。

日本の外務省は、2019年11月1日に、ミンダナオ島の9つの市( ブトゥアン市,ハッサン市、ビジャヌエバ市、タゴロアン市、タグム市、サマル市、ディゴス市、マティ市、シアルガオ島 )の危険レベルを2( 不要不急の渡航は止めてください )から1( 十分注意してください )に引き下げています(参照)。戒厳令の解除が加わることで、ミンダナオ島全域への訪問がより気軽に行えるようになることでしょう。

また、現在、ミンダナオ島にあるダバオは、フィリピンの次なる経済発展の中心地としても注目されており、さらに多くの企業の参入が相次ぐだろうと予想されます。ミンダナオ島はフィリピンの最も大きな島でもあり、いまだ未開拓の土地や資源が眠っていることにおいても期待が高まっています。

そして、日本人として期待したいもう一つのことが、ダバオ国際空港と日本を結ぶ直行便の就航開始です。以前の書いた記事ANAによる「ダバオー東京」間の直行便の運行開始なるか?ダバオ直行便の可能性を探るにおいては、直行便の開設を妨げている1つの要因は、ミンダナオ島に発令されている戒厳令でした。ダバオは、東南アジアで2番目に安全な都市であることが調査でも明らかにされていますが(参照:治安は大丈夫?一度来たらわかる!フィリピン第3の都市ダバオの魅力とは。)、直行便の開設のためには、真に安全であることを示すフィリピン政府の後ろ盾が必要です。今回の戒厳令の解除は、フィリピン政府が、ミンダナオ島は安全であることを示したことを意味しますので、ダバオー日本間の直行便の可能性について、大きく前進したといえるでしょう。

戒厳令の解除で注意するべきこと

しかしながら、戒厳令の解除に、完全に心を許すのは危ないともいえます。むしろ、この解除の瞬間を狙って何らかの悪だくみを企てようと考える人がいないとはいえません。そのため、2020年になってもしばらくは、ミンダナオ島の治安には気を配る必要があるでしょう。それと同時に、人が密集する地域に出かける際には、注意することに越したことはありません。また、ミンダナオ島の様々な地域に出かけるのも、しばらくは様子をみたほうがよいといえるでしょう。フィリピンのミンダナオ島に限らず、事件はどこにいても起こりうるものです。危険を察知したり、事件を回避する能力は身に着けておくに越したことはありません。

最後に

本記事では、フィリピンのミンダナオ島で発令されていた戒厳令が解除されるというニュースについて、詳しく説明しました。戒厳令の解除が、フィリピン、ミンダナオ、そして私の住むダバオにどのような影響を及ぼすのかは、いまだ不明な部分が多いのですが、新しい一歩を踏み出すということには間違いありません。フィリピン、そしてダバオファンの1人として、この新たな一歩を応援するとともに、これからのフィリピンの成長を楽しみにしたいと思います。