フィリピンでストリートチルドレンに出会ったら
どうするべき?

フィリピンでストリートチルドレンに出会ったら<br>  どうするべき?

バカンスや語学留学で注目を集めるフィリピンですが、フィリピンに住む私からすると、フィリピンにはいくつかの大きな闇があります。

その中でも私が一番気にしているのが、

フィリピンの「ストリートチルドレン」

元教員ということもあり、ものすごく気になっています。

実は、私が住むダバオにも多くのストリートチルドレンがいます。

日常的に彼らと出会うことがありますが、どのように接するのが正解なのか、日々葛藤を続けています。

そこで本記事では、フィリピンのストリートチルドレンに関する現状と、どのようにかかわるべきかについて、私なりの意見を書きたいと思います。

(みなさんの考えをコメント欄に残してもらえるとすごくうれしいです)

フィリピンの今

国連の資料によると、フィリピンの人口は2013年に1億を超え、2050年には1億5000万人になると予想されています。

フィリピンでは、人口ボーナス(人口の増加とともに、若い働き手が増え、国の経済が押し上げられる現象)が、東南アジアで最も長い2050年まで続くと予想されていることから、今後大きな経済発展が期待されているのです。

また、約50年もの間、アメリカの植民地であったことから、フィリピン人は英語が堪能なことで知られています。母国語は、フィリピン語(タガログ語)ですが、英語が公用語の1つとして用いられ、街中で目にする文字はほとんどが英語です。

セブ島を始めとした多くのビーチリゾートがあり、多くの外国人が観光を楽しんでいます。また、近年では、英語のマンツーマンレッスンが格安で受けられることから、語学留学やオンライン英会話の人気も高まっています。

南国の気候と大柄なフィリピン人の気質、また、日本と比べて物価が安いなどの理由から、現在多くの日本人がフィリピンに移住しているといわれています。

フィリピンの子どもたちの実態

日本では現在、毎年約90万人の赤ちゃんが生まれるとされていますが、フィリピンではその2倍となる180万人の赤ちゃんが生まれています。

それもそのはず、フィリピンでは、赤ちゃんを産むことのできる年代の人々が非常に多いのです(参照)。

また、この大量の子どもたちが親世代になることで、フィリピンの人口はグングン増加します。フィリピンに来ると、子どもや若い人が多いと感じるのは、絶対数が多いからなのです。

しかしながら、この人口増加の問題は、大きな問題も含んでいます。Unicefが行った調査では、子どもの31.4%が、国が定めた最低限の生活のために必要な経済的状況よりも貧しい状況下で暮らしているというのです。

子どもにはお金を生み出す力は基本的にはありませんから、これは親の経済的事情といえます。

最低限の生活が保障されていない子どもが3割強もいるというのは、驚きの数字です。例えば日本の学校で考えた場合、40人クラスの内、12~13人が重大な貧困のもとで暮らしているということです。

その中でも特に経済的事情が悪いといわれているのが、住居に住むことができず、路上で生活をしている子どもたちです。学校に行くこともできず、食料も十分に与えられず、生きるためにその日暮らしの生活をしている子どもたち。

いわゆる「ストリートチルドレン」と呼ばれる子どもたちです。

このストリートチルドレン問題は、現在フィリピンの大きな問題となっています。なぜなら、生まれた瞬間から、重大な貧困が子どもにのしかかってくるのです。

ストリートチルドレンの問題は、人権問題としても取り上げられることがあります。生産能力のない子どもに人間らしく生活する権利が与えられていないというのは非常に大きな問題で、フィリピン国内だけでなく、世界的な問題として取り上げられることもあります。

フィリピンのストリートチルドレンの人数と状況

ストリートチルドレンの詳しい人数は明らかにされていませんが、1998年のフィリピン政府の報告によると、約120万人ものストリートチルドレンが存在するとのこと。現在ではその数は増加し、200万人を超えるストリートチルドレンがフィリピンで生活しているといわれています。

家を持たず、学校にも行けず、食料も十分にない子どもたちです。幼い子が、花やお菓子を売ることでわずかなお金を稼ぎ、生計を立てています。マーケットなどでは、観光客の食べ残しを持ち帰り、食料の足しにする姿もみられます。

私たちがよく目にする姿は、手を伸ばし、お金をねだる、いわゆる「物乞い」です。私も初めて子どもの物乞いに出会ったときには、どうすればいいのかわかりませんでした。

彼らは、教育を受けていないため、地元の言葉しか話せません。また、身分を証明するためのIDを所持していないため、きちんとした給料をもらえる仕事に就くこともできません。しかしながら、それでも拾ってきたボールを使ってスポーツを楽しんだり、稼いだわずかなお金を使って兄弟を養ったりするなど、たくましく生きているのです。

なぜストリートチルドレンの数が増加するの?

なぜ、これほど社会問題になっているにも関わらず、ストリートチルドレンの数が増加していくのでしょうか。これには、フィリピン社会の暗黙のルールが関係しています。

子どもが養ってくれるという親の期待

フィリピンでは、子どもが親を養うというのが一般的です。ストリートチルドレンの両親は、長い間貧しい生活をしていましたが、もしかしたら、子どもが何らかの事業で成功し、親を養い、この苦しい生活から解放してくれるのではないか、という期待があります。そのため、両親はたとえ今が貧しくても、将来の生活のために子どもを産み育てるという特徴があります。

娯楽としてのセックス

私たちの周りには、多くの楽しいことが転がっています。携帯で友達とコミュニケーションを図ったり、旅行を楽しんだり、ゲームをしたり、映画をみたり・・・しかし、超貧困層の家庭は、そのような娯楽にお金を使う余裕はもちろんありません。

そこで、無料で欲求を満たせる方法を追求します。その1つがセックスです。身体1つあれば楽しめます。性教育についての十分な知識はなく、また、避妊の代名詞ともいえるコンドームはもちろん高くて買えません。その結果、希望していないにも関わらず、子どもを授かり、産み育てることになるのです。実際フィリピンでは、親が期待していていないにも関わらず授かった子どもが半分を超えると報告されています(参照)。

キリスト教による中絶の禁止

フィリピンの多くはクリスチャンです。キリスト教では、新しい命を授かることは、神様が授けてくださった奇跡であるため、その命を奪うことになる中絶は禁止されています。中には裏ルートを利用し、中絶を行う人もいますが、高額な費用がかかることに加え、もし周りにばれてしまえば冷たい目で見られることになるのです。そのため、貧困層の人々にとっては、子どもを授かったら産み育てることが唯一の選択肢となります。

これらの理由により、ストリートチルドレンは増加の一途をたどっています。

ストリートチルドレンの物乞いにどう応じるべきか

では一体、ストリートチルドレンの物乞いにどう応じればよいのでしょうか。これには各々の価値観が大きく関係するため、答えはないと思っています。あくまでも私なりの考えと対応を書きますので、みなさんは自分で答えを見つけてください。

私がとっている対応

以下が、私が街中でとっている対応です↓↓↓

道のわきに座りながら要求してくる物乞い(ストリートチルドレン、大人)に対しては、関わらない、という対応をとっています。

服を掴んできたり、レストランの席まで来て要求してくる物乞い(ストリートチルドレン、大人)に対しては、「I’m sorry」と伝えた後、「No」と首を横に振っています。

「物乞い」ではなく、花や飾りを売りに来たストリートチルドレンから話しかけられたときには、購入するようにしています。

タクシーの配車などを手伝ってくれたストリートチルドレンには、バッグの中に入れたお菓子やパンをお礼に渡しています。

これはあくまでも私の方法です。私自身、これが正しい答えとは思いませんが、今の私ができる精一杯の対応です。根拠を決めないと、私の弱い心では、街中を歩けなくなってしまうのです。

私がこのような対応をとる根拠を下に書きます。

生活保障の観点

最低限の生活には、衣食住が必要といわれますが、そのどれもが満たされていないのがストリートチルドレンです。そのため、どうしてもお金を渡してあげたくなります。

しかし、お金を渡してしまった場合、そのお金を衣食住のためではなく、タバコの購入や違法ドラッグ(ドラッグはフィリピンでは厳しく取り締まられていますが、裏ルートで流れることもあるというのが現状のようです)の購入に使ってしまうといわれています。もしくは、裏で手を引くボスに全額渡すことになっており、結局はストリートチルドレンの衣食住のサポートにつながらないというのもよく聞かれる話です。

そのため、できる限り、お金を渡すのは避けたいというのが正直なところです。

しかし、食べ物がなくて飢えに苦しむのは非常に苦しいはずです。そのため、私は、渡すのなら「食べ物」にしています。

教育的な観点

ストリートチルドレンには、自分たちでお金を生み出す方法がありません。そのため、彼らにできることは、お金を乞うこと。そしてお金を賢くもらうための方法は、相手に嫌がらせをすることなのです。

つまり、相手が嫌がることをすれば、それを避けるために、お金をくれるのではないか。残念ながら、この理屈は正解です。ストリートチルドレンに服を引っ張られたり、しぶとく付きまとわれた大人は、それを避けるためにお金を渡します。ストリートチルドレンは、こうすることでお金を稼げるのだと学びます。

これは、心理学的にいえば「負の強化」が働いているのです。しかし、相手が嫌がることをすればお金がもらえるというのは、教育的によくありません。大人になって、悪い道に進んでいくきっかけともなりえます。

そのため、私は、単なる物乞いに関しては、(心の中では複雑な感情を抱きながらも)はっきりとノーと伝えるようにしています。

しかし、わずかながらでも、大人の手伝いをし、お金をもらおうとしているストリートチルドレンもいます。例えば、タクシーまで案内してくれたり(タクシーは目の前にたくさん止まっているのであまり意味はありませんが)、楽器演奏を披露してくれたりしたストリートチルドレンには、対価として少額のお金もしくは食べ物を渡すようにしています。

ストリートチルドレンの人権

物乞いがあまり推奨されない行為だとしても、目の前にいる人から完全無視されるというのは悲しいものです。そのため、直接かかわってきたストリートチルドレンには、きちんと向き合うようにしています(答えはNoですが)。

終わりに

私の考えとして、ストリートチルドレンには罪はないと思っていますし、これはフィリピン社会が作り上げた闇だと考えています。

この問題は非常にセンシティブで、ストリートチルドレンは私たちが思っているよりもたくましいですし、もしかしたら、このようにかわいそうと考えるほうが失礼に当たるかもしれません。

また、私の考えについて、賛成できないという方もいると思います。その場合、ぜひコメントを残して、みなさんにあなたの考えを共有していただけると嬉しいです。

ただ、フィリピンと関わるうえで、いつかはストリートチルドレンの問題を取り上げなければならないと思っていたため、数日かけて執筆しました。

今はなかなか余裕がありませんが、いつか、フィリピンの子どもたちがより豊かに生きるために自分ができることを見つけ出し、フィリピン社会に関わっていけたらと思っています。

フィリピンのストリートチルドレン問題に関し、何かご意見がありましたら、ぜひコメント欄に残してくださいね。

読んでくださり、ありがとうございました。