フィリピンの給料事情と労働法:
フィリピン人の生活事情【第1弾】

フィリピンの給料事情と労働法:<br>フィリピン人の生活事情【第1弾】

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一体フィリピン人は、いくらの給料をもらっているの???

と思う方もいるかと思います。

そこで本記事では、フィリピン人の生活事情【第1弾】と題し、フィリピン人の給料事情と労働法についてお伝えします。

※ちなみに、【第2弾は】、フィリピンの物価事情についてご紹介する予定です

※給料事情だけ知りたい方は、
「2.フィリピンの労働に関する法律」は飛ばしてくださいね

フィリピンにおける最低賃金

フィリピンの最低賃金は、DOLEDepartment of Labor and Employment:フィリピン労働雇用省)によって定められています。

日本では最低時給が定められていますが、フィリピンでは最低日給が定められています。

それがこちらです。 (2019年11月現在最新版)

なんのことかわかりませんよね。

フィリピンでは、地域ごとに最低賃金が決まっているようです。

いくつかの都市を例に挙げると以下のようになります。

(知りたい都市が入ってなかったらごめんなさい)

都市例 農業―最低賃金 最低賃金

日本円換算
最低賃金×2.1

マニラ 500ペソ 537ペソ 1128円
バギオ 340ペソ 350ペソ 735円
イロコス 282ペソ 340ペソ 714円
バタネス 320ペソ 360ペソ 756円
パンパンガ 284ペソ 400ペソ 840円
パラワン 294ペソ 320ペソ 672円
イロイロ 310ペソ 395ペソ 830円
セブ、ボホール 313ペソ 386ペソ 810円
サマール 285ペソ 315ペソ 661円
ダバオ 381ペソ 396ペソ 832円

フィリピンでは、農業従事者と一般職で最低賃金が分けられており、農業従事者は少し低めの金額になっています。

たとえば、月20日働いたとすると、私の住むダバオであれば、

396ペソ×20日=7920ペソ

が、最低の収入になります。

が、これはあくまでも架空のお話。

実際には、週5以上フルタイムで働いたとしても、約8000ペソを稼いでいない人々も多くいるのが今のフィリピンの現状です。

もちろん上記の金額は最低金額ですので、多くの人がこれ以上の金額を稼いでいます。

しかし、日本の給料事情と比べると、非常に低い給料で働いていることがお分かりいただけたかと思います。

フィリピンの労働に関する法律

日本に労働基準法があるように、フィリピンでも労働に関する重要な法律があります。それがLabor Codeです。フィリピンにおける雇用のルールがすべて書かれており、経営者および従業員は、かならず守らなければなりません。

※以下、長くなっていますので、飛ばしていただいても結構です。

フィリピンと日本の労働基準の比較表です。TCGさんのサイトよりお借りしました。

  日本 フィリピン
労働時間 1日8時間
1週間40時間

1日8時間
1週間5日
※緊急の場合には、週48時間、
6日勤務させることができる

休憩時間 連続して6時間を超えて労働する場合には45分以上、8時間を超える場合には60分以上の休憩 60分以上の食事休憩(労働雇用大臣が定める規定に従う)
※休憩時間も労働時間とみなす
休日 週1日以上の休日 週1日以上の休日
割増賃金 時間外労働:1.25倍
※月60時間を超える時間は1.5倍の例外あり
深夜労働:1.25倍
休日労働:1.35倍
時間外労働:1.25倍
夜間労働:1.10倍※1
週休労働:1.30倍
特別祝祭日労働:1.30倍
特別祝祭日が週休と重なる場合の労働:1.50倍
一般祝祭日:2.00倍
年次有給休暇 6カ月以上:10日以上
1年6カ月以上:11日以上
2年6カ月以上:12日以上
3年6カ月以上:14日以上
4年6カ月以上:16日以上
5年6カ月以上:18日以上
6年6カ月以上:20日以上※2
1年以上:5日以上※3
管理職 管理職に対しては時間外及び休日の割増賃金の支払い義務なし 管理職に対しては労働時間に関する規定が適用されない

本記事では少し脱線して、Labor Codeの少し突っ込んだお話をしたいと思います。

フィリピンの Labor Codeを一通り読んでみましたが、日本と比べると、雇用者にかなり有利な法律になっているように感じました。というのも、雇用者が有利に進めるための「抜け穴」が多く存在するからです。

上記の最低賃金は、基本的には正規雇用者が対象となります。しかし、フィリピンではもちろん、非正社員として雇われている人も多く存在するため、この金額などが適用されていないこともしばしばあるのです。

給料や待遇に不満をもった従業員は退職を考えますが、そこで問題が発生します。

Labor Code には、30日前に雇用者にやめることを伝えれば、従業員の「権利」としてやめることができる(ただし、30日未満の場合は損害賠償が発生する場合がある)、と記載されています。

これは一見、従業者に仕事選択の自由を保障する優しい法律に見えます。しかし、フィリピンのLabor Codeには、細かな雇用のルールや賠償金額の制限等がほとんど明記されていないのです。

そのため雇用者は、従業員の不祥事や急な退職で被害を受けないように、独自のルールを設定した契約書を準備します。企業も、会社の運営がかかっているのでそこは妥協しません。中にはとんでもないルールを規定する会社もありますが、Labor Codeで禁止されていないことであれば、問題なく書き込めます。

フィリピンで現在大きな問題になっているのは、「6か月の試用期間雇用」と「期間雇用」の問題です。

6か月雇用とは、経営者が雇用者を6か月間お試し社員として雇用することができる期間です。お試し社員ため、上記のルールは適用されませんし、正社員よりも安い金額で働かせることができます。また、使い物にならないと思ったら、解雇することもできます。

6か月雇用は一見、準備期間として当然必要な内容にも思えますが、フィリピンのある企業では、6か月が経過する前に従業員を解雇し、新しい社員を雇うという悪質な雇用形態が明らかとなりました。

契約雇用(有期雇用) は、定められた期間までのほぼ完全な雇用が保障されているというもの。悪質なことがない限り従業員は解雇されない、という安心感もありますが、その期間までは絶対にやめられない、また、その期間後は雇用が保障されていない、という難しい側面ももちます。

そのためフィリピンの雇用者は、従業員を 契約雇用(有期雇用) として雇い、その期間未満でやめる場合には、賠償金を支払うようにという契約書にサインするよう従業員に要求します。契約雇用(有期雇用)の場合は、上記の退職に関する「権利」は適用されず、期限まで働くことが求められます。

そしてその契約書は、わずかに記載されているLabor Codeのルールに違反していない限り、有効なものとみなされます。そのため、契約書に記載されている多額の賠償金は、有効なものとしてみなされるため、 契約雇用(有期雇用) の従業員は、自分の意志でやめれない形になるのです。

これはフィリピン政府でも問題となっており、近く改善されるのではと言われていますが、いまだ正式な決定には至っていません。

契約書の中身がどれだけ常識はずれなものであっても、DOLEは明らかな違反が契約書に書き込まれていない限り動けません。

もし雇用者との間で大きなもめごとになった場合には、弁護士に頼ることになります。弁護士は、違反の有無はもちろん、その賠償金の「妥当性」についても考慮したうえで判断を下します。

また、多くの市では、Civil law(民法)の中で独自のルールを記載しています。そのため、市所属の弁護士に相談することが最も確実な解決法になります。多くの市役所では、弁護士への無料相談窓口を設けており、近年、悪質な雇用形態が多いことから、非常に需要が高くなっているようです。

フィリピンでは、楽しい面ばかりがハイライトされることが多いですが、フィリピン人は、非常に大変な環境の中でお金を稼いでいるということを、ぜひ理解してください。

フィリピンの仕事別給料まとめ

フィリピン人の友達、ネットの情報等を活用してまとめました。

しかし、以下はあくまでも例だと思ってください。地域によっても異なりますし、ポジションなどによって大きく異なるのが現状です。マネージャークラスになると、給料が一気にアップこともあります。

  月収 備考
オンライン英会話講師 1.5万ペソ~

人気によりけり
例:1日8時間、時給100ペソ
100ペソ×8時間×22日=17600ペソ

オフライン英会話講師 1万ペソ~ 人気講師になれば給料アップあり
学校教員 1.5万ペソ~  
政府機関 3万ペソ~ 役職によりさらにアップ
携帯ショップ店員 0.8万ペソ~  
スーパーレジ係 0.8万ペソ~  
ファーストフード店員 0.8万ペソ~  
銀行員 2万ペソ~  
サリサリストア 0~無限 売り上げ次第
タクシードライバー 1万ペソ +チップ
洋服店店員 0.8万ペソ~  
レストラン接客担当 0.8万ペソ~  
レストランフード担当 1.5万ペソ~

レストランの質による
専門的な技術が必要な場合は高め

マッサージ店セラピスト 1万ペソ~ +チップ
メイド 0.7万ペソ~  
ジプニードライバー 1万ペソ~無限 基本は出来高制
ジプニーをレンタルする場合は別途費用が必要
フライトアテンダント 2万ペソ~  
空港の係員 1万ペソ~  
大学教授 3万ペソ~  
看護師 1万ペソ~  
弁護士、医師 かなり高め  

これを見ると、オンライン英会話の講師は、比較的多めの給料をもらっているといえそうです。

また、自宅で働けることから、英語が得意なフィリピン人にとっては、非常に狙い目の仕事といえます。

その一方で、オフライン英会話の講師の給料が非常に低いこともおわかりいただけるかと思います。

もちろん、これはあくまでも参考程度の給料であって、おそらくマニラの実態とは大きくことなると思います。しかし、フィリピン全土を考えると、妥当なデータではないかと考えています。

この、日本と比べると安い給料により、私たちはオンライン英会話が格安で受けられるということです。しかし、この状況は徐々に変わりつつあります。フィリピンの給料事情は少しずつではありますが変わってきていますし、今の値段でオンライン英会話が受けられるのは、もしかしたら今だけかもしれません(こちらの記事もご覧ください)。実際、多くのオンライン英会話では、少しずつ値上げを行っています。

何はともあれ、フィリピン人は、フィリピンで、非常に大変な思いをしながらお金を稼いでいます。

フィリピン人のハッピーな面ばかりではなく、家族のために一生懸命働いているフィリピン人のことも、ぜひ理解してほしいなと思います。

次回は、フィリピンの生活事情【第2弾】と題し、フィリピンの物価事情について紹介する予定です。ぜひ遊びに来てください。